養鶏場のネズミ駆除まとめ 防除研究所

シーズン3 ネズミ駆除法

第3弾は、ネズミ駆除法とメンテナンス維持管理法を(ボウケン式ネズミ駆除法)具体的紹介いたします。

防研式ネズミ駆除法

忌避

ネズミの嫌がる環境にする(ネズミ撃退装置スーパーハヤブサ)

捕獲

ネズミを資材、機材を使い捕獲する

駆除(殺鼠)

薬剤を使いネズミを死滅させる

この三つを鶏舎環境に合わせた対策方法を紹介いたします。
この方法は、ネズミの行動を利用した効率の良い方法で、忌避エリア、捕獲エリア、駆除エリアにわけ駆除効率を有効にする方法です。(エリア別防除法とも言う)

忌避エリア

天井裏、個別の倉庫など(密閉空間に有効)に設置。捕獲、駆除エリアは、鶏舎内、通路、他。

まず、鶏舎内のネズミの侵入口、穴を徹底調査し、(天井裏から鶏舎内へ侵入する穴など)数箇所を残し、あとはすべて塞ぎます。(このとき大切なのは、捕獲等防除しやすい穴を残します。)次に天井裏に【写真①】ネズミ撃退装置スーパーハヤブサを設置、生息、繁殖しにくい環境にして、駆除しやすい場所にネズミを移動させ、最後に鶏舎内にネズミ捕獲資材、機材、駆除剤を配置し、駆除効率をあげる工法になります。

(鶏舎内)捕獲エリア・殺鼠エリア

捕獲用 ネズミ粘着トラップ、捕獲ゲージ等 捕獲パイプ

ボウケン式筒型捕獲器

ネズミの生態を利用した捕獲器で餌なども不要、パイプ内で繁殖させ、一気に捕獲する方法です。(要するに営巣箇所を作る)

防研式ネズミ駆除法の手順(ネズミコントロール防除)
1
徹底調査

鶏舎にあるネズミの形跡を調べ、天井裏、壁から鶏舎へ侵入する穴を見つけ、ネズミの行動を把握する。(赤外線カメラや足跡、脱フンなど)

2
侵入口を塞ぐ

調査に基づきネズミの行動(侵入ルート)を限定させ齧らない素材のパネル(ステンレス製)で塞ぐ(防除のしやすい場所だけ残す)

3
天井裏にネズミ撃退装置を設置

天井裏に10M間隔でネズミ撃退装置スーパーハヤブサを設置(死角が出来ないように)

4
鶏舎内に捕獲資材、機材を設置

粘着トラップ、捕獲ゲージ、ボウケン式捕獲パイプ、自動捕獲器等を通路や餌箱の下部、壁際に設置 粘着トラップは各鶏舎100枚以上、捕獲ゲージは10台以上を目安にしてください。

5
鶏舎内に駆除薬剤を設置

通路や餌箱の下に1M間隔に(1箇所30g)を目安とする。

6
効果判定、ネズミ回収、再設置

捕獲、駆除資材を配置した箇所【塞いだ箇所も確認】し、餌の喫食の箇所は追加、捕獲のある場合は回収、再設置をします。最後に残った穴をすべて塞ぎます。

7
維持管理

定期的に薬剤の補充、粘着トラップの取替え、回収などを行います。このとき交換するだけではなく餌箱の中等にネズミ糞、ラットサインも確認し増減の確認も必ず行う。
※薬剤配置の際、手袋、マスクなど安全対策を必ずするようにしてください。

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では実際に行った結果
鶏舎状況

①鶏舎(ウインドレス鶏舎)成鶏2万羽
②1000頭以上生息
③昼間でも目視確認あり
④配線被害、卵にマーキング等あり
⑤自社で殺鼠剤、粘着トラップを多少設置

表 鶏舎一棟 月に2回のネズミ駆除実施状況

項目1回目2回目3回目4回目合計(頭)
薬剤死そ2261986632522
粘着トラップ88625868276
捕獲器515231255
紙質型パイプ0184532150
合計3192931921441003

※1駆除薬剤、資材は2週間前(1回目の)に配置.。
※2ネズミは警戒心が強いので捕獲器、紙質型パイプに入るには時間がかかります。

今回、3回にわたりネズミ駆除の基本知識から具体的な駆除法などを紹介しましたが、ネズミは徹底的に駆除してもひと月空けるとまたもとの数に戻りますので定期的に実施しなければなりません。しっかり会社全体で(経営者を含む)ネズミ駆除プロジェク計画を立て、駆除業者と自社管理の内容を明確にし、管理をしていくことが大切です。
駆除業者はサポートに過ぎません。自社で守る仕組みをしっかり作り継続してほしいと思います。
衛生管理のマンネリ化から積み上げた畜産経営が破綻する恐れもあります。今後は畜産管理の資格(ライセンス方式)にするなど業界として仕組を見直す必要があると思います。
ネズミ駆除を通じて衛生管理の品質アップ、本当の安全、安心を期待しています。