コウモリの生態とは?生息場所や被害に遭わないための予防策を解説

夜に家の近くを飛び回るコウモリを見かけると、不安を感じる方も少なくないでしょう。コウモリは建物内に侵入することがあり、そのまま放置すると健康や住環境に悪影響を及ぼすおそれがあります。今回は、住宅地で多く見かけるアブラコウモリの生態を紹介しながら、被害を防ぐための具体的な予防策について解説します。


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コウモリの生態

日本には30種類以上のコウモリが生息しているとされていますが、人家の周辺で目撃されやすく、建物に棲みついて被害をもたらすのはアブラコウモリがほとんどです。

ここからは、アブラコウモリの身体的特徴や行動パターン、生息場所など、その生態について詳しく紹介します。

身体的特徴

アブラコウモリは、ヒナコウモリ科アブラコウモリ属に分類されるコウモリの一種で、別名「イエコウモリ」とも呼ばれています。人家に棲みつく習性があり、小さな隙間からでも侵入できるのが特徴で、下記のような身体的特徴を持っています。

特徴項目 内容
体長 約4~6cm
翼長 約18~24cm
体重 約5~10g
体色 黒褐色~暗灰褐色の体毛

このように体は非常に小さく、1cm程度のわずかな隙間からでも出入りできるため、家屋への侵入には十分な注意が必要です。

鳴き声

アブラコウモリの鳴き声は、通常、人間に聞こえない超音波で発せられています。これは、周囲の環境を把握したり、獲物を捕らえたりするために使われるものです。

ただし、身の危険を感じたときには「キイキィ」といった甲高い鳴き声をあげることもあり、人の耳にも聞こえる場合があります。

この鳴き声はネズミの鳴き声に似ているため、音だけでコウモリかネズミかを正確に見分けるのは難しいとされています。

主食

アブラコウモリは、主に蚊やユスリカ、ヨコバイといった小型の昆虫を主食としています。さらに、甲虫類やカメムシ、ハチなど、人間にとって害虫とされる昆虫も捕食の対象です。

そのため、コウモリは不快な虫を減らしてくれる存在として、益獣の一面も持ち合わせています。夜間に活動する性質と相まって、街灯周辺や水辺など、虫が集まりやすい場所によく現れます。

生息場所

元々コウモリは、洞窟や岩陰といった暗くて涼しい場所を好んで生活していました。しかし近年では、自然環境の変化や都市部の宅地開発により、人の住む場所にも現れるようになっています。下記は、アブラコウモリが好む代表的な生息場所です。

・屋根裏
屋根裏は薄暗く気温が安定しており、コウモリにとって快適な環境です。屋根や壁の小さな隙間から簡単に侵入します。

・ベランダや物干し竿
高所にあり、夜間は人の出入りが少ないため、身を潜めやすい場所です。

・車庫やガレージ
薄暗く安全性が高く、出入りもしやすいため、コウモリが棲みつきやすくなっています。

行動パターン

アブラコウモリは夜行性の生き物で、日没前から活動を始め、夜間に空を飛び回りながら昆虫などを捕食します。日の出とともに活動を終え、再びねぐらへ戻って休息を取るという生活サイクルです。

基本的に集団で行動する習性があるため、巣の中に多くの個体が集まることも珍しくありません。特に屋根裏や壁の中などに営巣された場合、羽音や移動音による騒音が発生します。

さらに、糞尿による悪臭や汚れも問題となり、人の生活環境に大きな悪影響を及ぼすことがあります。

コウモリがもたらす被害

コウモリは、小さな体で人目につきにくい存在ですが、住居に侵入してさまざまな被害を引き起こします。ここでは、健康への影響や騒音、建物の損傷といった代表的な3つの被害について解説します。

健康被害

コウモリに噛まれたり、唾液や排泄物に触れたりすると、ウイルスや細菌に感染する可能性があります。なかには、重篤な疾病を引き起こすものもあり、衛生面でのリスクは無視できません。

また、コウモリの体にはノミやダニといった寄生虫が付着していることがあり、これらが人に移ると皮膚トラブルやアレルギー反応を招くおそれもあります。姿が見えなくても、フンや抜け毛などを介して健康被害が広がるケースもあるため、注意が必要です。

騒音被害

コウモリは単独ではなく、複数の個体が集まって生活する習性があります。そのため、一度屋根裏などに棲みつくと、夜間に飛び回る羽音や壁を這う音などが断続的に聞こえるようになります。

特に、アブラコウモリは活動時間が長く、夕方から明け方まで音が続くこともあり、睡眠の妨げになるケースも少なくありません。わずかな音でも繰り返されると、精神的なストレスにつながるおそれがあります。

家屋への被害

コウモリは、大量のフンを排出するため、家屋内に棲みつかれると深刻な衛生被害を招くおそれがあります。特に屋根裏や壁の中にフンが蓄積すると、木材や断熱材が腐食し、建物の劣化を早めてしまうのです。

また、フンは強い悪臭を放ち、湿気と混ざることでカビが発生や新たな害虫を引き寄せる原因にもなります。見えない場所で被害が進行することも多いため、早めの対応が重要です。

コウモリの被害に遭わないためにできること

コウモリによる被害は、棲みつかれる前に対策をすると未然に防げる場合があります。ここでは、コウモリを寄せつけないための具体的な予防策を紹介します。

侵入経路を塞ぐ

コウモリの侵入を防ぐために、建物の隙間を徹底的にチェックし、侵入口となり得る場所を塞ぎましょう。特に注意したいのは、下記のような場所です。

・屋根や壁の隙間
・通気口
・換気扇
・エアコン室外機の配管部分の隙間
・窓やドアの隙間

アブラコウモリは体が小さく、1cm程度の隙間からも簡単に入り込めます。高所の小さな隙間まで見逃さず、必要に応じて補修パテや防虫パネルでしっかりと塞ぎましょう。通気口のように完全に塞げない部分には、金網などを活用すると効果的です。

忌避剤を設置する

コウモリを寄せつけないための方法として、忌避剤の設置が有効です。専用のトレーにジェルタイプの忌避剤を入れて設置すると、コウモリが嫌がる成分を空間に拡散させ、接近を防ぎます。

設置場所は、コウモリが侵入しそうな隙間付近や、すでに棲みつかれていた場所が効果的です。製品によっては約1年間効果が持続するものもあり、メンテナンスの手間を抑えつつ予防対策を続けられます。

超音波装置を設置する

コウモリ対策として効果的な方法のひとつが、超音波装置の設置です。コウモリは、もともと超音波を使って周囲の状況を把握して、飛行や捕食を行っています。そこに別の超音波を発生させると感覚が乱れ、不快に感じてその場から離れる傾向があります。

コウモリ避けの超音波装置を設置すれば、広範囲に作用するため、物理的に侵入を防ぐのが難しい場所にも有効です。屋根裏やベランダなど、よく出没する場所を中心に導入すると予防効果が期待できます。

虫の数を減らす

コウモリは、主に昆虫を餌にしているため、周囲の虫を減らすことも効果的な予防策のひとつです。特に蚊やユスリカなどの小さな虫は、夜間光に集まる習性があるため、虫が寄り付きにくいタイプのライトに交換すると、コウモリが寄りつくリスクも下げられるでしょう。

また、ゴミの放置や水たまりなどは、虫の発生源になるため、日頃から清潔な環境を保ち、適切に管理することが大切です。

コウモリをしっかり追い出したいなら防除研究所にご相談ください

コウモリの被害を根本から解決するためには、専門的な知識と技術を持つプロの業者に依頼しましょう。

防除研究所では、年間約3,000件の施工実績を誇り、豊富な経験に基づいた対応が可能です。建物ごとの構造や被害状況を丁寧に調査し、侵入経路を特定した上で最適な施工を提案しています。

さらに、駆除後には写真や動画を用いた効果測定の報告も行っており、再発防止にも力を入れています。自力での対処が難しいと感じたら、お気軽にご相談ください。

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まとめ

コウモリは、身近な場所にも棲みつく可能性があるため、放置すると健康や住環境に深刻な影響を及ぼします。予防策をしっかり講じることで、被害を未然に防ぐことも可能です。もしすでに被害が発生している場合は、専門業者である防除研究所への相談を検討してみてください。

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