タヌキとアライグマの違い
私たちが暮らす身近な環境に現れるタヌキやアライグマ。どちらも一見よく似ていて、見分けにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、身体的な特徴や性格、行動パターンなどを知っておくと違いがはっきりとわかります。
ここでは、タヌキとアライグマの違いについて解説します。
身体的な特徴
まず最もわかりやすい違いは外見です。ここでは、しっぽや耳、大きさなどの特徴を詳しく見ていきましょう。
しっぽの違い
タヌキは短く模様のないシンプルなしっぽを持つのに対し、アライグマは縞模様のある長いしっぽが特徴です。庭先などで見かけても、しっぽだけで判別できることも少なくありません。
耳とヒゲの違い
タヌキは耳の周りが黒く、おでこに白い模様があります。一方、アライグマは耳の縁が白く、ひげのように見える白い毛が生えており、印象が異なります。
大きさ・体格の違い
タヌキは体長40~60cm、体重3~10kg程度で比較的コンパクトですが、アライグマは体長50~100cm、体重4~10kgと体長がより長く大柄です。
足跡の違い
タヌキは4本指で、犬や猫に近い足跡を残します。
一方、アライグマは器用な5本指を持ち、まるで小さな人間の手のような足跡を残すのが特徴です。この足先が木登りや物を扱う能力につながっています。
性格
タヌキは基本的に臆病で、人間を避けて暮らす傾向があります。夜間に姿を見せても、こちらに気づけばすぐに逃げることが多いのです。
対してアライグマは非常に気性が荒く、場合によっては攻撃的な行動をとります。人家に侵入して物を荒らすなどの被害をもたらすケースも多いため、注意が必要です。
行動パターン
アライグマは木登りが非常に得意で、バランス感覚に優れているため、屋根裏や天井裏といった高所にも侵入できます。さらに垂直に約1.1mジャンプできるため、庭木や塀を足がかりに家の上部に到達することが可能です。
これに対し、タヌキは木登りは不得意で、床下や茂みなど地面近くに潜む傾向にあります。侵入経路の違いを理解しておくと、防除対策を考える上でも役立ちます。
食べ方
どちらも雑食性で果物や野菜を食べますが、タヌキはその場で噛みちぎるように食べるのが特徴です。例えば、トウモロコシなら根本から折って食べます。
一方、アライグマは5本指を器用に使い、トウモロコシの皮をむいたり、スイカに穴を開けて中に手を突っ込んだりするなど、人間のような手先の動きをします。
フン
タヌキの糞は丸く、2~3cm程度で黒っぽく、果実の種が残ることも多いです。対してアライグマの糞は細長く、5~18cmほどと大きめで、虫の羽や骨などが混じります。
どちらも同じ場所に糞を溜める「ため糞」の習性がありますが、その形や中身を観察すれば識別が可能です。
住む場所
タヌキは山林や畑など自然環境を好み、人家に近づく場合も床下に入り込む程度で、高所に侵入することは少ない傾向にあります。
これに対し、アライグマは都市部にも適応し、人家の屋根裏や天井裏を棲み家とすることが多く、木登りやジャンプ力を活かして高所に棲みつきます。
タヌキとアライグマがもたらす被害
タヌキとアライグマは見た目がよく似ているため混同されがちですが、どちらも人の暮らしにさまざまな被害をもたらす動物です。
ここでは、代表的な「食べ物への被害」「健康被害」「建物への被害」の3つに分けて解説します。
食べ物の被害
まず大きな問題となるのは、食べ物をめぐる被害です。タヌキやアライグマは雑食性で、畑や果樹園に侵入して野菜や果物を食べてしまいます。農家にとっては収穫前の作物が失われるため、経済的な損失は深刻です。
また、家庭や飲食店のゴミをあさることも多く、残飯や食品廃棄物を漁ることで周囲に散乱させ、悪臭や不衛生な環境を生み出してしまいます。
このように、食の安全と生活環境の両面で大きな影響を与えているのです。
病気や感染症などの健康被害
タヌキやアライグマは外見こそ愛らしいですが、人に感染する可能性のある病気を媒介する存在でもあります。
例えば、狂犬病や回虫、寄生虫といった感染症が代表的で、フンや尿を通じて人や家畜に広がるおそれがあります。
また、これらの排泄物に含まれる細菌は、土壌や水を汚染し、健康リスクを高める要因となります。見かけたからといって安易に近づいたり触れたりするのは非常に危険です。
建物への被害
アライグマやタヌキは屋根裏や床下に侵入して巣を作り、断熱材を破ったり、糞尿をため込んだりします。これにより悪臭が発生するだけでなく、天井や床の木材が腐食し、修繕費が高額になるケースも少なくありません。
特に夜行性のため、夜間に走り回る音が騒音被害となり、住人の睡眠を妨げることもあります。長期的に放置すると家全体の劣化を早めるため、早めの対策が求められます。
タヌキやアライグマの被害を防ぐ方法

タヌキやアライグマによる被害は、食べ物を荒らされたり、健康への悪影響が出たり、住居に侵入されたりと、さまざまな形で現れます。こうした被害を防ぐには、動物たちの習性を理解し、それに応じた対策を取ることが大切です。
ここでは、日常生活の中で実践できる具体的な対策方法を4つ紹介します。
忌避剤を使う
タヌキやアライグマは嗅覚が鋭く、不快なニオイに敏感です。その特性を活かして、専用の忌避剤を使用することで、近づけないようにすることができます。
市販の忌避剤には、唐辛子成分やハーブ系の香りを利用したものがあり、自然由来で人やペットへの影響も少ないため、安全性が高いのが特徴です。設置場所としては、ゴミ置き場や家の周囲、畑などが効果的です。
ただし、忌避剤は時間とともに薄れていきますので、効果を維持するためには定期的な散布や交換が必要です。
天候や気温によって持続性が変わる場合もあるため、こまめなチェックを心がけましょう。
超音波を使う
タヌキやアライグマは聴覚も鋭く、人には聞こえない周波数の音を嫌がる習性があります。そのため、超音波装置を設置することで、被害を未然に防ぐことが可能です。
これらの装置は、一定の周波数で動物にとって不快な音を出すことで、寄りつかない環境を作ります。人やペットにはほとんど影響がなく、安全に使用できるのが利点です。また、ソーラー式や電池式など種類も豊富で、電源のない場所にも対応できます。
ただし、個体によっては慣れてしまうこともあるため、設置場所を変えたり、ほかの対策と組み合わせたりすることで、より高い効果が期待できます。
侵入経路を塞ぐ
タヌキやアライグマによる被害の中でも特に多いのが、屋根裏や床下への侵入です。これを防ぐには、物理的に侵入経路を塞ぐことが大切です。
例えば、屋根の隙間、床下、通気口、排水管まわりなど、建物の細かな部分に注意を払う必要があります。これらの隙間には金網や専用の資材を使って補強することで、侵入を防止できます。
過去に被害があった場所は、特に重点的にチェックし、再発防止に努めることが効果的です。
エサとなるものを片付ける
タヌキやアライグマを引き寄せてしまう大きな要因のひとつが、食べ物の存在です。そのため、エサとなるものを片付けることが、被害防止において非常に効果的です。
まず、生ごみは密閉して保管し、ゴミの日の前夜に外に出すのは避けましょう。
また、庭やベランダにペットフードや残飯を置かないようにし、果物の木がある場合は落ちた実をこまめに拾うことも大切です。
タヌキやアライグマの被害に遭った場合は、防除研究所にご相談ください
タヌキやアライグマによる被害でお困りの方は、ぜひ防除研究所にご相談ください。
当社では、建物の構造や被害状況を的確に把握し、侵入経路の特定から最適な施工方法のご提案まで、一貫した対応を行っております。
施工後は、写真や動画で効果を確認していただき、万が一再発しても最長5年間(※)の保証があるため安心です。被害を繰り返さないためにも、お早めにお気軽にお問い合わせください。
※別の箇所で害獣が発生した場合は、別途費用をいただく場合もあります。詳しくは担当者にご相談ください。
まとめ
タヌキとアライグマは一見似ていますが、実際には性格や行動パターンなどに明確な違いがあります。いずれも食べ物を荒らしたり、感染症のリスクを招いたり、建物に被害を及ぼしたりするおそれがあります。
被害を防ぐには、それぞれの動物の特性を理解し、適切な対策を取ることが重要です。身近な環境を守るためにも、日頃から予防を心がけましょう。