ネズミの足跡はどんな形?
ネズミの足跡は、前足が4本指、後足が5本指です。移動時には、前足と後足の足跡が交互に並び、ちょんちょんとした特徴的な跡が残ります。足跡のサイズは1~2cm程度で、小さな点状に見えることがほとんどです。
ネズミの足跡には尻尾の跡が付くことが多く、足跡の間に細い線を引いたような跡が残ることが多いです。
雪が積もった場所では、雪の深さによって足跡の見え方が異なり、雪が浅い場合は点状の足跡が残りますが、雪が深い場合は足跡ではなく体の跡がはっきりと確認できることがあります。
他にもある!ネズミの痕跡「ラットサイン」とは
ネズミの痕跡を「ラットサイン」と呼び、足跡以外にも下記があげられます。
糞尿
ネズミは歩きながら排泄する習性があるため、通り道や被害の多い場所には「糞尿」が見られることが多いです。フンは黒っぽく、米粒ほどの小さなものから1円玉程度の大きさのものまであり、ネズミの種類によって形状や特徴が異なります。
家に侵入するネズミは「ドブネズミ」「クマネズミ」「ハツカネズミ」の3種類で、それぞれのフンの特徴を見れば、どのネズミが棲みついているかを判別可能です。
ネズミの種類 | フンの大きさ | 色 | 特徴 |
ドブネズミ | 10~20mm | 焦色・灰色 | 太く、まとまって落ちている |
クマネズミ | 6~10mm | 茶・灰色 | 細長く、散らばっている |
ハツカネズミ | 4~7mm | 茶色 | 両端がとがっている |
ネズミの糞尿はアンモニア臭がするため、部屋や押入れが「臭い」と感じる場合、ネズミが棲みついている可能性が考えられるでしょう。
かじった跡
ネズミの前歯は一生伸び続けることから、常に固いものをかじって削る習性があります。そのため、家の中では柱や壁、木製の家具、電気の配線、通信コードなどがかじられることがあるでしょう。
特に家電のコードにかじり跡を見つけた場合は、漏電による故障や火災の原因になるため、すぐに使用を中止し、状態を確認することが重要です。
黒いこすり跡
ネズミが通った道には、黒っぽいこすり跡がつくことがあります。ネズミは視力があまり良くないため、壁や床の隅に体をこすりつけながら移動する習性があり、同じルートを何度も通ることで、体に付着した汚れや油が壁や床にこすりついて黒っぽい跡になるのです。
特に狭い通路や壁際、天井付近などに黒いこすり跡が見られることが多く、ネズミの侵入口や巣の近くで発見されることも少なくありません。
ネズミの足跡が見つかりやすい場所
ネズミの足跡やラットサインが見つかりやすい場所には、下記があげられます。
【室内】
・押入れの天板
・エアコン導入口
・壁沿い、柱、天井
・ブレーカー付近の隙間
・玄関の框(かまち)下
・ガス管、台所の配管、トイレの配管の隙間
・換気扇
【室外】
・通風口
・窓や扉の隙間
・換気扇
・戸袋
・床下
・排水管
・軒下の隙間
・エアコン導入部
・壁の割れ目
ネズミは1.5~3cm程度の隙間に簡単に侵入できることから、家と外の境目になる隙間や換気口、配管の周りなどに足跡が残ることが多いです。
また、クマネズミはバランス感覚が優れており、細いケーブルを伝って移動できるため、天井裏や棚の上などの高い場所にも足跡が残ることがあります。
ネズミの主な侵入経路については、下記の記事で詳しく解説しています。
「ネズミはどこから家に入るのか?主な侵入経路と侵入を防ぐ方法を解説」
ネズミの足跡(ラットサイン)を見つける方法
ネズミ駆除を扱う専門業者でないと、ラットサインを目視で見つけるのは難しいといえます。そのため、下記で紹介する方法を試してみてください。
ベビーパウダーをまく
ネズミが通りそうな場所にベビーパウダーを薄いておくことで、移動した際にハッキリとした足跡が残ります。ベビーパウダーがない場合は、小麦粉や片栗粉でも構いません。足跡が確認できたら、その周辺を重点的に調査し、侵入経路や巣の場所を特定すると良いでしょう。
ネズミが侵入する場所にガムテープを貼る
ネズミが出入りしそうな隙間や通り道にガムテープを貼っておくと、ネズミが通った際にテープが剥がれたり、かじられたりするため、侵入場所を特定しやすくなります。ガムテープの代わりに、セロハンテープやマスキングテープでも代用可能です。
ただし、ネズミは警戒心が強く、普段と違うものがあると道を変えることがあるため、数日間様子をみることが重要です。また、ガムテープではネズミの侵入を防げないため、侵入口を特定した後は、しっかりと塞いでおきましょう。
ブラックライトで尿を探す
ブラックライトは青紫色の光や紫外線を発する電灯で、テレビ番組などで目に見えない汚れを照らす場面でも良く使われています。ネズミの尿はブラックライトを当てると光るため、ラットサインを調べるのに便利です。
ただし、ブラックライトは洗剤や漂白剤、蛍光塗料など、身近な液体にも反応するため、光ったからといって必ずしもネズミの尿とは限りません。周囲にフンや黒いこすり跡など、他のラットサインがないかもあわせて確認することが重要です。
また、ネズミの尿は、さまざまな病原菌を含んでいる可能性があります。発見した際は、直接触れないように注意し、消毒用アルコールなどで拭き取りましょう。
ネズミの足跡を見つけたときの対処法
下記で、ネズミの足跡を見つけたときに自力で対処する方法を紹介します。ただし、確実に駆除したい場合や衛生面で心配な方は、専門業者への依頼を検討してみてください。
罠を仕掛ける
ラットサインがあった場所に罠を仕掛けましょう。罠の種類には主に、殺鼠剤、捕獲器、粘着シートがあります。
殺鼠剤 | ・ネズミに摂取させることで駆除する方法
・効果が高い一方で、ネズミが薬を摂取した後に死ぬ場所がわからず、悪臭や衛生問題を引き起こすことがある ・ペットや子どもがいる家庭では、誤って口に入れないよう注意が必要 |
捕獲器 | ・ネズミを生け捕りにする方法
・カゴ式やプラスチック式、バネ式といったいくつかの種類がある ・繰り返し使用できる |
粘着シート | ・ネズミがシートに触れた瞬間にくっつく仕組み
・設置が簡単で即効性があるが、粘着力が弱まれば逃げられる可能性もあるため、見つけたらすぐに処理する必要がある |
忌避剤で追い払う
ネズミを罠で捕獲するのが嫌な場合は、忌避剤(きひざい)を使用して追い払うと良いでしょう。忌避剤には「スプレータイプ」「燻煙(くんえん)タイプ」「設置タイプ」などいくつかの種類があります。
スプレータイプ | ・ネズミが嫌うニオイ(ハーブやハッカなど)のスプレーを直接ネズミに吹きかける方法
・ネズミの通り道に吹きかけ、寄せ付けないようにするのも効果的 ・ニオイに慣れたネズミには効果がない場合がある |
燻煙タイプ | ・煙を発生させてネズミを追い払う方法
・広範囲に効力があるが、使用前にペットや服、食べ物などを別の部屋に移動させる必要がある |
設置タイプ | ・ネズミの通り道に忌避剤を設置して追い払う方法
・ニオイを発するタイプや超音波を発するタイプなどがある |
死骸や糞尿を処理する
ネズミの死骸や糞尿は適切な処理が必要です。まず、罠でネズミを捕獲した場合は、罠ごと水に沈めて「溺死」させます。粘着シートで捕獲した場合は、逃げないように折りたたんで可燃ゴミに出すと良いでしょう。
ネズミの死骸を発見した場合も同様に、新聞紙やビニール袋に包んで可燃ゴミとして捨てます。ただし、ゴミの出し方については自治体でルールが異なる場合もあるため、確認してみてください。
糞尿は、アルコールなどで周囲を除菌しながら取り除きます。取り除いた後も念入りに消毒・消臭しましょう。なお、死骸や糞尿を処理する際は、直接触れないように使い捨ての手袋やマスクを着用することが大切です。また、死骸には害虫が付着している場合もあるため、処理時は周囲に殺虫剤を使用しましょう。
ネズミの侵入経路を塞ぐ
ネズミを捕獲・処分して終わりではなく、侵入経路を塞いで再び侵入されるのを防ぐことも大切です。すべての侵入経路を塞ぐのは容易ではありませんが、下記の部分はよく侵入する経路であるため、重点的に塞いでみてください。
・配管や配線の隙間
・床下の通気口
・屋根の隙間
・壁の割れ目
・戸袋
侵入経路を塞ぐ際は、金網やパテ、金属板、コーキング材などを用います。ネズミはコインほどのわずかな隙間でも侵入する点に留意し、念入りに塞ぎましょう。
ネズミが棲みにくい環境にする
ネズミの侵入・繁殖を防ぐためには、棲みにくい環境をつくることが大切です。具体的には、「餌になるものを捨てる」「整理整頓・掃除をする」などがあげられます。ネズミは人間が残した食べ物やペットフード、石鹸なども食べるため、こまめに片付けるようにしましょう。
ネズミの足跡を見たときは防除研究所へご相談ください
自力でのネズミ駆除は健康面のリスクも大きく、かえって被害が広がるおそれもあります。そのため、衛生管理のプロ集団「防除研究所」にお任せください。当社は即日対応が可能で、豊富なノウハウと設備を駆使して、最適な駆除方法をご提案します。
また、年間約3,000件の施工実績があるほか、各種認証・規格も取得しており、安心してご依頼いただけます。駆除後には効果測定を実施し、結果を報告しておりますので、ぜひ効果を実感してみてください。
まとめ
ネズミの足跡を見つけたら、棲みついている可能性が高いといえます。ネズミはさまざまな病原菌や害虫を媒介するため、早めに駆除することが大切です。ネズミの痕跡「ラットサイン」を見つけたら、すぐに業者へ連絡して駆除を依頼しましょう。