1)種類と生態

動物に寄生するノミは多い。以前には、人にはヒトノミ、猫にはネコノミ、犬には、イヌノミが寄生していたがヒトノミは国内から姿を消してしまい、イヌノミも都市では見られなくなった。現在、イヌ、ネコに寄生しているのはネコノミが殆どである。野良猫が増えたことにより、公園等の猫が集まる場所でノミが繁殖するからである。ノミはシラミと異なり、餓餓に耐えることが出来る。孵化した成虫が待機していて、散歩に連れてきた犬等にたかり、家に持ち込まれる。最近は、犬を屋内で飼育する傾向にあり、高層住宅でもネコノミの被害が増えている。

2)防除法 以下の対策はネコノミが主な対象となる。

発生源対策

宿主のねぐらが発見され、その場所に段ボールやボロボロ布等がある場合にはこれらを取り除き、焼却するか廃棄処分し、その一帯に有機リン系殺虫剤の乳剤または粉剤を処理する。周辺が砂地である場合にはその中ににも幼虫が潜んでいる可能が高いので、薬剤の処理量を多くするかすきすきこむなどして、内部に十分に薬剤がいきわたるようにする。
畳やカーペットが発生源になっている場合には、これらにノミ用の微粒剤を処理する。畳では加熱処理を行なってもよい。
床下等が宿主の生息場所になっている場合には、薬剤等による対策後、侵入口を塞ぎ、再侵入出来ないようににする。

成虫対策

発生源が特定出来た場合でも成虫が分散している場合には、屋外ではその一帯に、上記と同様の薬剤処置を行う。屋内の場合は燻蒸剤か加熱蒸散剤を使用する。
ペットの体表に成虫が見られる場合には、ノミとり粉やノミとりシャンプー、ノミとり首輪等を用いて防除を行うか、獣医師による処置を受ける。それと同時にペットの常在場所やカーペット、畳下、畳表と畳床の間等に粉剤等を処理する。